どうもこんにちは、エイメイ学院のASKです️
本日行われた2024年度北辰テスト第8回の所感について述べていきたいと思います
この回でも「学力検査タイプ」と「学校選択タイプ」に分かれます。
また、公立入試前最後の北辰テストとなるため、範囲は教科書全部から出題されており、
出願のための参考となるかなり大事なテストです!実質「埼玉入試のリハーサル」的な位置づけとなりますので、形式は本番のものに寄せてあり、今までの北辰テストと異なってきます。
両タイプとも分析してその所感を述べてみましたので、本日受験された方は、ぜひその感覚を摺り合わせてみてください。
それでは、各問題ごとの所感を述べていきましょう️
<<学力検査問題タイプ>>
まずは通常タイプである学力検査問題タイプから見ていきましょう
大問1 小問集(配点65点)
入試本番の配点に合わせてきましたね。大問1だけで100点中65点と、かなりのウェイトを占めています。ここで点数を稼いでいくのは絶対です。一つ一つ見ていきましょう。
(1)~(8)は基本的な計算問題となります。正負の数の計算から二次方程式の解の公式まで、どれも絶対に落とせない問題です。優先度は最も高いので、ここで取れない分野がある場合は、早急に練習していきましょう。
(9) 一次関数についての問題ですね。平行と聞かれたら傾きが等しいことはセットです。しっかりと覚えておきたいところですね。
(10) 円周角の定理の問題です。今までの北辰には出題されていません。補助線を引いて二等辺三角形をつくるか、ブーメランの形の性質を使えるようにしておきましょう。
(11) 基本的な相似の問題になります。この形は入試において超典型的なタイプですので、こちらも取れるようにしておきましょう。
(12) 標本調査についての問題ですね。3年生最後の単元ではありますが、やっていることは中1の比例式と同じになります。
(13) 「サイコロ2つ(2回)」の問題では必ず出目表を使って調べるのがよいです。特に今回のような√が絡んで条件がやや難しくなっているものほど、冷静に数え上げていけるようにしましょう。
(14) 半球の表面積の問題ですね。公式をしっかり覚えておくとともに、下の円の面積を足すことも忘れずに。よくあるミスです。
(15) 規則性に関する問題ですね。数年前に北辰の大問2で同じようなものが出題されていますが、ここは正答率が低くなりがちです。全体の枚数と、4枚ごとに★が現れるという条件から答えを導きます。差になる問題です。
(16) 公立入試ではおなじみの会話文から条件を読み取る問題です。今回はデータの活用の分野ですね。すでにあるデータから、xの値を場合分けして考える必要があります。ここもかなり正答率は低くなると思います。
大問1は各分野から基本的な問題が1行問題として出題されます。どれも取るべき問題ではありますが、今回は(15),(16)が難易度高めで、時間を取られてしまった人も多かったのかなと思います。
大問2 作図&証明 (配点12点)
こちらも埼玉県に寄せて作られていますね。大問2は作図と証明です。どちらも部分点が出る問題となります。全部は書けなくても、分かるところまでは記述するようにしましょう。
(1) 作図の問題です。前回と比べて遥かにやりやすかったと思います。垂線の半分で45度を作るという、中1のやり方でもいいですし、半円を書いて垂直二等分との交点を取る、でも良いですね。ここは取りたいところでした
(2) 図形の証明問題です。こちらは問題文の条件が多く、示すべきことも多いので、完答出来た人は少なかったのではないでしょうか。仮定にある角の二等分線や、平行線の錯角についてなどは最低でも記しておきたいところです。辺の長さについての言及がないので、角度が等しいことから二等辺三角形に持っていくことのがポイントです。正答率は低くなると予想されます。
大問3 関数 (配点13点)
おなじみ関数と図形です。こちらも会話文から読み取る形式となっています。関数と図形は難易度がやや高く、正答率が低くなりがちな分野ですが、リード文を上手く理解することで今回は対応できるようになっています。
(1) x軸との交点と、関数の式に代入した値を答える問題です。これは抑えたいところです。
(2) リード文にそって、二次方程式を作ります。また、問題の条件(点Pのx座標が負であること)も使って解の吟味をします。二次方程式の文章題で記述をする場合も同様に、解の範囲を明確にして、吟味をする必要があります。
(3) (1),(2)が出来ていればその流れで出来るようになっています。
大問4 空間図形(配点10点)
昨年度の埼玉入試と同様の形式にしているのか、最後に空間の問題を持ってきましたね。入試問題における空間図形は「三平方の定理」が絡んでいる事が多く、それらの演習が不十分であると、対応が難しいです。今回は基礎的な部分から、ちょっとした発展まで突っ込んだ内容になっています。
(1) 空間内の線分を求める問題です。直方体の対角線の考え方を応用して、立方体内に直方体を作って考えられると良いです。上記の通り、練習量で差になる問題だと思います。
(2) 四角錐の体積を求めます。体積の問題では「底面積」と「高さ」をどこに設定するかが重要です。今回はどちらも三平方の定理や相似をフル活用します。こちらも差になる問題といえますね。
全体的な所感
埼玉入試のリハーサルなだけあって、形式は本番同様のものに。出題分野や難易度もかなり寄せてつくられていると思います。いつものような正答率が1%を切る超難問はありません。どれも基礎的な考えを使う問題ばかりですので、今回わからなかった問題があれば、その単元の基礎的な内容を一通りおさらいして解き直しや類題演習に臨んでみると良いです。
また、3年単元で、練習が疎かになりがちな「円」と「三平方の定理」分野は、演習量をしっかりと重ねて単元理解を深めることをオススメします。
<<学校選択問題タイプ>>
続いて、コチラ。第7回から登場した学校選択問題タイプ。やはり学力検査タイプより難易度が高く、最初の計算問題でさえもミスをするリスクが高まります。さらに記述問題の数も(作図を含めると)5題です。
もちろん難易度が高い中でも、取るべき問題は変わらずありますので、しっかりと抑えていきましょう。
大問1 計算、小問集(配点45点)
選択問題タイプといえど、最も点数の取り所の大問1です。最初の計算問題を確実に抑えることはもちろん、各単元からのややレベルの高い小問でどれだけ対応できるかが差になります。学力検査タイプと共通の問題もありますね。一つひとつ見ていきましょう。
(1)~(3)学力検査タイプよりも難易度の高い計算問題です。途中計算をしっかりと書いてミスのないように取りたいですね。平方根の代入問題は、必ず式変形をするようにしましょう。
(4)~(5)学力検査タイプと同じ問題です。こちらは確実に抑えたい。
(6)学力検査タイプより少しだけ難しくなっていますが、取るべき問題です。
(7)半球に加えて円柱の側面積を求める問題です。確実に抑えましょう。
(8)相似な図形で平行四辺形と面積比の問題は超定番なのですが、コチラは面積から逆に線分比を求める問題です。慣れていない受験生は多かったのではないでしょうか。相似比の二乗も活用しつつ比を求められるとよいですね。正答率はやや低めだと思います。
(9)学力検査タイプと若干条件が変わっています。カードが並ぶ順と★の周期に気をつけながらやる問題です。こちらも正答率はやや低めと思われます。
(10)学力検査タイプと同じ問題です。選択問題を狙うのであれば、抑えたい問題ですね。
学力検査タイプと比べて難易度が高いものはあるものの、各分野をしっかりと理解しているかを問われる問題であり、抑えたい内容ばかりです。もし苦手分野がある場合は、戻って復習+入試レベルの演習をすると良いと思います。
大問2 作図&証明 (配点13点)
大問2は2つ。作図と証明です。ここは例年の正答率を見ても差になる問題といえますが、第7回とは違って、上位校を目指すのであればどちらも対応必須の問題といえます。
(1)45度から、直角二等辺三角形を連想するところまでは良いのですが、今回は頂角が45度ですので、90度の半分。つまり円周角の定理をつかいたい、というところまで辿り着いたかがポイントとなります。入試問題では、円周角や三平方が絡んだ作図も出題される可能性があります。今一度、その分野の基本事項を確認しておきましょう。
(2)学力検査タイプとほぼ同様の問題です。条件は多めですが、最後まで書き切りたいところですね。証明のいろんな言い方が詰まった良い問題です。解けなかった人はしっかりと復習しておきましょう。
大問3 関数と図形 (配点13点)
関数と図形の問題です。ここは各小問の作りを見ても、昨年度の入試を意識した内容になっていますね。選択問題を目指すのであれば、完答したい内容です。
(1)~(3) 学力検査タイプ大問3を参照ください️
大問4 平面図形:円(配点16点)
過去の北辰テスト第8回と同様に、ここで円が出題されています。入試において円を含んだ平面図形は超頻出で超重要分野になります。特に私立入試においては、円を中心とした平面図形の理解が必須です。私立中心とした数学の勉強を行っていた人は完答も出来たかもしれません。差になる分野です。
(1)弧の長さときたら、扇形を連想し、中心角が必要であることが分かると思います。抑えたい問題です。
(2)外角の性質や、接線の性質、直径に対する円周角などを多用します。書込ながら進めていけば答えにたどり着けるようになっています。こちらも抑えたい問題です。
(3)この回の中で一番難易度が高いと思われます。特別角の活用、補助線を引いて合同を見つけるなど、平面図形の各知識を多用します。正答率はかなり低いでしょう。
大問5 空間図形(配点12点)
学力検査同様、最後に空間図形の問題が置かれています。学力検査タイプの分析でも述べた通り、ここは3年最後の図形単元である「三平方の定理」を多用しますし、それを含んだ演習が不足しがちです。演習量の差が正答率として顕著に現れる問題となります。
(1)学力検査タイプ同様、直方体の対角線を応用します。
(2)三角錐の体積になります。求め方はいくつかありますが、線対称な立体となるように面で切って2つの三角錐の和として求めるのが手っ取り早いと思います。正答率はかなり低いでしょう。
全体的な所感
今回の選択問題タイプは、第7回までと違って本番を意識した内容と難易度になっていますので、やりやすいと感じた人もいるかもしれません。ただ、全体的には難易度が高めなのは変わりませんね。
大問1~3でどれだけ手早く処理できたかで、後の大問4,5にかけられる時間が変わってきます。高得点を狙うのであれば、まずは教科書内容の単元は巻末含め全て理解したうえで、ワークC問題レベルも問題なく手が動くようになる必要があります。
とはいえ、科目の得意不得意であったり本番の点数の比重を考えると、数学においてはそこまで高得点を取らなくても戦えます。(さすがに御三家レベルとなると6~7割は取れなくてはいけませんが)
残り期間、果たして数学に時間をかけてよいのかどうかはよく考えたうえで、学習を進めていきましょう。
今後の勉強について
公立入試まで残りちょうど1ヶ月となりました。ここからは公立の過去問を中心にとした勉強になると思います。
どの模試も、過去問もそうですが、やる場合は最大限効果を発揮させることが大事です。
ただ点数を出すのではなく、解説をじっくり読む、丁寧に解き直す、同じ単元に戻って復習をする
このようなサイクルをすることで、本番の点数も少しずつ上っていきます。
まだまだ細かいところでミスをして焦る人もいるかもしれませんが、そういったものを一つ一つ詰めていくのが残りの期間でやるべきことです。
残り一ヶ月、中3生たちが悔いの残らない受験となるように願っています。
参考までに、以下に最新6年分の埼玉県立入試の分析と解説動画を載せていますので、ぜひご活用ください!️