
「天才と言われている奴は、みんな努力してるんだよ。」
そうボソッと呟いた。
たしかに。
そうなんだよな。
山の麓にいる人が、高いところにいる人を見上げると、
「ああ、あの人はすごい人だから。」
と片付けてしまう。
その人がどんだけ苦労してきたかが見えていないから。
でも、先頭の人においてかれまいと
必死についていこうとする人は、
自分より先へ行く者が、
どれだけの努力をしているかが、
痛いほどわかる。
そう。
みんなも周りにいる”すごい”奴は、
ただただめちゃくちゃ頑張ってる。
その努力の量が、時間の長さが、
ただただ尋常じゃないだけ。
ものすごい時間を、
勉強やその道に費やしているだけ。
ただ、それだけ。
これは、シマが中学3年間で使い切った青ペン。

シマは暗記のときは、青ペンで書きなぐる。
これがわかりやすい努力の証になるのかな?
それでシマは、
定期テスト学年1位を
11回取った。
でも、この努力が見えない人は、
「あいつは天才だから」で片付ける。
でも、シマに負けないぐらい頑張っていたライバルの子たちは、
「あいつはめちゃくちゃ頑張ってる。
自分も負けないぐらい努力しなきゃ。」
そう、気づくことができる。