づかっちは元々、大手個別指導塾の先生だ。
大手個別指導塾で大学時代4年間みっちり働いていた。
最後の1年間は教室長補佐として働いていた。
生徒指導だけでなく、個別指導の先生たちへの研修をしたり、シフトを組んだり、教室長とともに保護者面談に入れてもらったりした。
その分はお給料だけでなく、よくご飯に連れて行ってもらったので、個別指導塾の教室長には今でも感謝している。
でも、はじめはアルバイト感覚でやっていた。
こんなに時給もらえるのかーラッキー!
そんな風に思ってた
授業準備はほぼしていなかったと思う
決められた時間に行き、塾テキストをとりあえず生徒にやらせ、授業中に学習プログラムに記入をし、終わったらタイムカードを押して帰る
アルバイトの時給以上のことはしていなかったと思う
そのことに少しずつ「違和感」を感じたのは、担当をしている生徒たちの伸び悩みだ
「え?なんでこんな点数しか取れないの?」
とテスト結果を見て驚いたし、勉強に向き合ってない生徒の姿が気になった
なんというか、自分にできることはもっとあるんじゃないかなとモヤモヤした
だいたい1対2,3の個別指導なので当たり障りのない指導をしていた
生徒も先生に言われたことはやる。
「その場では」やる。
でも、それ以上はやらなかった。
自学とはあまりにかけ離れていた。
生徒たちを見ていて
勉強はやらせられるもの、受け身としてやるもの、という感じだった。
そして、その姿勢に対して、アルバイト先生たちは誰も何も言わない状況だった
教室長も気付けていなかった
生徒のやる気がなくても形だけはとりあえずやる、そして問題があっても面倒くさいことになりそうだからと、報告せずに帰っていく先生たち…
「責任」はどこか宙ぶらりんの状態だった
もちろん生徒のモチベーションがあがるようなイベントもなかった
何か変えなくちゃいけないと思った。
中学生の頃に通っていたエイメイをすぐに思い出した
そして家に帰って自分の部屋の物置を漁った
エイメイでやっていた頃のノートを見返してみた
当時使ってた練成ゼミのテキストを見返してみた
心が熱くなった。
ああ、コレだよなあ!
勉強ができるようになっていく喜び。
心を震わせるような感動。
当時のことが思い出され、
エイメイのように学ぶことの楽しさ、努力することの素晴らしさを生徒たちに伝えたいなと思った。
塾は違うけれど、今の個別指導でも何かできるんじゃないかと思った。
それから、個別指導のやり方が少しずつ変わっていった。
ネタを考えて雑談を取り入れたり、新しい単元のときは、身近な例を出して導入を考えたり、英語や数学の公式のまとめ方を工夫したり、その子に合わせた指導をするように意識した。
そうするうちに生徒たちも変わってきた。
授業がないのに自習に来たり、担当ではない時にでも質問をづかっちにしてくれるようになった。
(他の先生はかなりやりづらかったろうな…ごめんなさい。)
当時の生徒がテストで良い結果を出して報告しようとしてくれたり、難関校のICUへ合格したりできたのは、
言われたことをそのままマニュアル通りにやることを止め、
本人の力を最大限に引き出すような指導に自分の頭で考えて切り替えたからだと思う。
でも、教室長からは良い顔はされなかった。
マニュアル通りに動いていないづかっちをよく思ってなかったんだと思う。
振り返ってみても異端だったと思う
ご飯も誘われなくなっていった。笑
そんな状況でも、もっと沢山の生徒にもっと自由に色々なことを伝えたいと思っていた矢先、
当時のエイメイの先生から声をかけられた。
エイメイの先生を探してる…
エイメイの集団講義へのチャレンジをしてみるラストチャンスと思い、エイメイの模擬授業を受けた。
エイメイで先生をやるためには、模擬授業をやって合格しなければならない。
模擬授業は高いレベルが求められる。
生徒役はエイメイの先生たちだ。
緊張感もマックス
そして、その模擬授業で、もう完膚なきまで叩きのめされた。。立ち直れなくなるほど
「準備が足りない」
初回は英語の授業で関係代名詞をやったけれど、「まずはそれを選んだのは間違い」と当時のエイメイの先生たちに言われた。
相手の立場に立ってやらないと…。
そこからエイメイのスタートだった。
ゼロではなくマイナス
個別指導での自信は一気に地についた。
振り返ってみれば、自分の甘さに気付かされた良い機会だったけれど、当時はかなりきつかった。
それでも言われたことを愚直にとらえて、改善する日々が始まった。
3回目の模擬授業で「採用!」と言われて一番に喜んでくれた先生がいてすごく嬉しかった。
それからもエイメイの授業がない日に他の先生たちの授業をこっそり盗み聞きしたり、他の先生の映像なんかイベントごと文字で書き起こしたりした。
集団講義が誰よりも下手くそ、笑のセンスもない。
個性もない。
それでもエイメイの先生として良い授業をしたい。

そんなづかっちだから、誰よりも努力して学ばないといけないと思って働いていた。
当時の終礼では先輩たちがヒントを教えてくれたのをメモで書きなぐった。
ただ良い授業をしたいと思って、20年近く経って、気がつくと今は年齢が上の方へ行っているのに驚く。
エイメイに来たばかりの新人の頃が懐かしい。
あの時の気持ちは忘れずに、これからもエイメイで、より良い授業を生徒たちのためにこれからもしていきたい。