問題はこちらから見ることが出来ます。
全体の構成としては、昨年と変わらず大問1の配点は65点。今年は新学習指導要領になって初めての入試なので、箱ひげ図が出題されました。また、標本調査の問題で少数第1位を四捨五入と、新しめの問題も出題されています。全体の難易度はやや上昇。昨年範囲が削られた「円」「三平方の定理」を使う問題が多く出題されました。今までにはないような、確率と関数の融合問題も出題されています。全体的に教科書内容を広く満遍なく理解し、さらに学校ワークのB問題レベルは手堅く押さえれば高得点を狙うことができるといえるでしょう。
1(1)~(9)は従来の大問1の計算分野と難易度は変わりません。(10)の関数の問題では、傾きや切片・比例定数の正負に注目。意味を理解しておくことが大事です。(11)円錐の展開図の中心角の問題です。母線と底面の半径の比で簡単に求めることが出来ます。 (12) 素因数分解と√が外れる条件を正しく活用することが求められます。(14)新しく導入された、箱ひげ図から出題。箱ひげ図の意味を正しく理解することが大事になります。
(15)は標本調査の問題で、答えを四捨五入することが必要になります。(16)に関しては記述であり、割安とはどういうことかを知り、体積比を活用して比較することが必要になります。やや難問。
2(1)三平方の定理を作図に応用する問題です。直角二等辺三角形の比を使いましょう。
(2)関数と図形の問題。平行四辺形の性質を活用することや、高さをy座標の差で出すことが必要になります。
3 近年珍しい、確率と座標幾何との複合問題です。条件の読み取りが肝になります。
(1)2点間を結ぶ直線の式の問題です。(2)全体の数から、グラフ上の点の数を引くことがポイントです。
(3) 等積変形を活用して△ABP=4cm²になる場合の座標の位置に注目できるとよいでしょう。平行線が2本あることに加え「三角形になる場合のうち」という条件が肝になります。多くの受験生は全36通りと勘違いすることでしょう全33通りを調べて条件にあてはまるかを調べることはできますが、時間がかかります。難易度は高いです。
4 昨年削減された「円」「三平方の定理」を十二分に活用する大問です。接線の距離が等しいことの証明も新しいです。自分で線を引いて三角形をつくる必要があります。その点でいうと、H30の証明と同じです。
(1) 合同であることを使います。接線が90度であることや、半径が等しいことをしっかり記入し、直角三角形の合同条件を覚えておくことが必要です。 (2) (1)で証明した事実(接線の距離)を活用しつつ、相似・三平方に加え共通接線も活用します。図形の総合問題と言えるでしょう。しかしその分、答えに至る方法は多くあり、試行錯誤しながら答えにたどり着くことができるでしょう。
総括
全体的な難易度は昨年度より難化。学校選択問題と完全に共通ではなく、易しく作られているが、平均点は下がると予想されます(予想平均58点)
教科書改訂により、新分野からの出題はあったものの、教科書レベルになります。教科書理解の徹底に加え、各単元での応用問題にも多少は触れておくと良いでしょう。また、普段の学習から暗記で済まそうとするのではなく、言葉の意味や理屈など、正しく理解するように心がけると良いです。
エイメイ学院 数学科 村上飛鳥